雇用契約書・就業規則及び罰則規定

雇用契約書は企業と従業員の間の雇用契約の内容を書面化したものです。
雇用契約書の作成は法定義務ではありませんが、そもそもフィリピンは契約社会であり契約書や就業規則の記載内容は従業員にとって最大の関心事であり重要視されます。雇用契約書は従業員の就業形態や期間、給与や待遇、業務内容や就業場所などを明記したもので、雇用条件に関する誤解や行き違いによる争議を避けるためには必ずといってよいほど作成すべき重要な書類となります。雇用条件にそぐわない待遇を受けた場合は労働争議に発展する可能性があり、一度労働問題が起こると他の従業員への心理的影響も多大なものとなり会社と従業員との間の信頼関係やモチベーションが揺らぎかねない大問題に発展しかねません。また労働法に明記された労働条件は強行法規であり、法令に準拠しない契約書や就業規則の文言は無効となる可能性がありますので注意が必要です。

雇用契約書の法的な真正性を確実なものにするため雇用契約書を含むあらゆる契約書は署名後に公証する必要があります。

弊社のクライアントも過去にフィリピンで多くの労働争議や雇用問題に巻き込まれるたびに解決に導くための最適解を示してきた弊社の経験をもとに御社の事業形態に即した雇用契約書及び雇用関連書類をサポートします。

雇用形態

フィリピン労働法は、雇用の性質に応じて、次の種類の雇用形態を認めています。

1. 試用期間被雇用者

この期間の被雇用者は雇用後最長6か月の観察期間が与えられ、雇用主が従業員の能力と資格を評価するための期間となります。

雇用者は試用期間中の従業員に対して以下のことが求められます。

  • 業務に求められる能力や資格基準を試用期間中の従業員に伝えること。
  • 試用期間を明示すること。

雇用主がこれらのいずれかを怠った場合、試用期間中の従業員は正規雇用されたと見なされます。

2. プロジェクト雇用

プロジェクトベースで雇用主と従業員の間で締結される期間雇用契約です。

  • プロジェクトの詳細や契約内容や期間などの明記
  • 従業員に求められるスキルと業務内容

プロジェクト雇用は、当該契約がプロジェクトベースであること事前に相互理解しておく必要があります。

3. 季節雇用

このタイプの雇用契約では従業員は特定の季節や時期に仕事をすることとなっています。 仕事の内容や範囲も季節的または定期的であるため、この契約で雇用された従業員は正規従業員への変更はありません。

4. 有期雇用

この雇用契約は、特定の期間の雇用契約であり、これに合意した従業員と雇用主の間で締結されます。 フィリピン労働法とその施行規則および規則によると有期労働者の雇用期間に制限はありません。 しかし裁判において契約が1年を超える場合従業員は期間の定めのない正規従業員とされるものとの判断を下しています。

雇用契約や就業規則、罰則規定を作成すると従業員との間で雇用開始時の規則と待遇等を設定することができます。
契約書には次のような条項を契約に含めることができます。

  • 社内での職位
  • 業務の範囲
  • 給与と福利厚生
  • 禁止事項と制限事項及び違反時の罰則
  • 競業避止義務および秘密保持契約
  • 労働日数と作業時間

 

雇用契約書サンプル
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