フィリピンの環境問題

大気汚染

フィリピンではマニラ首都圏やセブ市、ダバオ市など都市部における大気汚染が健康や生態系への深刻な影響などにより大きな問題となっている。
主な原因は工場から排出される硫黄酸化物等の汚染物質と自動車から排出される排気ガスなどが挙げられます。

そのため、汚染物質を排出する施設や設備を建設する際には環境天然資源省(Department of Environment and Natural Resources : DENR)環境管理局(Environmental Management Bureau: EMB)が排ガス検査及び公害防止設備の評価を行うこととされ、排ガス基準を満たした工場などに発行される操業許可は毎年更新する必要があります。また自動車などの排ガス等についても有毒物質除去装置の装備が求められており、バイクや自動車等のすべての車両は登録更新時に排気ガス試験(Emission Test)に合格したという書類の提出が求められます。

水質汚染

フィリピンの河川や湖沼の水質汚染の状況大気汚染以上の深刻な状況となっている。
水質汚染の主な原因は、工場排水及び生活排水、また農業排水による農薬、重金属、有害物質などであり首都圏であっても下水処理施設が完備されておらず汚染されたままの水がそのまま河川や海域に流れ出るため水質は非常に劣悪な状況が続いています。工場やオフィスビス、商業ビル等の大型事業所からの汚染物質排出については、水質浄化法(共和国法9275号)において定められている排水基準まで汚染物質を低減する浄化設備を各自設置することが必要となっています。

廃棄物問題

フィリピンでは都市部に人口が集中しており、都市部の住民が排出する廃棄物も年々増加しています。
ごみ焼却に伴うダイオキシン発生問題により一般ごみ焼却炉の設置及び利用が禁止された(医療及び有害廃棄物は焼却可)。そのため、収集された廃棄物は埋立て処分されることになっています。固形廃棄物の管理責任は各地方自治体とされており、2000 年の生態的固形廃棄物管理法に伴い、オープン・ダンピング方式から、管理埋立方式へ改善している自治体も見られる一方で工場から排出される有害廃棄物については事業者による届出が義務付けられています。